延命十句観音経とは

十句観音経』(じっくかんのんぎょう)は、仏教経典のひとつです。
別名を『延命十句観音経』(えんめい―)とも言いますが
「延命」の二字を付け加えたのは江戸時代の臨済宗中興の祖
と言われる白隠です。

大乗経典の観音経系経典に属し、わずか42文字の最も短い経典として知られる
偽経(後述)なのですが、古来『ただ何度も読誦するだけでご利益を得られる』とされていて
人気が高いです。

延命十句観音経の全文と読み方

観世音 南無仏 かんぜおん なむぶつ
余仏有因 余仏有縁 よぶつういん よぶつうえん
仏法僧縁 常楽我浄 ぶっぽうそうえん じょうらくがじょう
朝念観世音 暮念観世音 ちょうねんかんぜおん ぼねんかんぜおん
念念従心起 念念不離心 ねんねんじゅうしんき ねんねんふりしん

延命十句観音経の意訳(口約)

観世音菩薩に帰依します
我々にも仏と同じ因果の法則があり、また縁でつながっています
仏と法の縁によって、私たちは常に心を清らかにし、楽しく過ごせます
朝にも夕べにも観世音菩薩を念じます
この念は仏心から起こり、また心を離れません

延命十句観音経を読誦(読経・誦経)

和泉西国三十三ヶ所霊場の札所に参詣(巡拝・巡礼)すると
『和泉西国観音霊場巡拝案内』と言う冊子を頂ける機会に
恵まれる事があります。
その、巡拝案内に、この延命十句観音経が掲載されています。

おいらは『心の中で』唱えています。
(声に出して唱えるのが恥ずかしいとか言わない 笑)

そもそも参詣(巡拝・巡礼)時に頂く『納経印』(ご朱印)は
めたなので『納経印』を頂くのだ。
という説があるそうです。

その場で読誦(読経・誦経)(後述)して納めるもよし、写経(後述)して納めるもよし。
おいらもいずれ、本来の意味での『納経』がしたいと思っています。

語句説明

偽経
中国において、漢訳された仏教経典を分類し研究する際に、インドまたは中央アジアの原典から翻訳されたのではなく、中国人が漢語で撰述したり、あるいは長大な漢訳経典から抄出して創った経典に対して用いられた、歴史的な用語
読誦
かなり端折って書きますと、お経を読む事。
「読経」は経文を見ながら読唱することで「誦経」は経文を暗誦すること。
写経
仏教において経典を書写すること、またはその書写された経典のこと

inserted by FC2 system